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提案事例

賃貸併用住宅
荻窪の家
将来の二世帯住宅も見据えた
事務所を併設した家族3人が暮らす賃貸併用住宅

この「荻窪の家」は私の自宅です。
なぜ私が賃貸併用住宅を建てることにしたのか、建てるまでにどのような過程をたどったのかをお話しいたします。

自宅を賃貸併用住宅にした理由

私の実家は東京から100㎞ほど離れた地方都市にあります。大学で東京に出てきてからずっと都内で暮らしていますが、娘の成長や両親のことなどを考えて、新居を建てようと思ったのが2006年ころでした。そこから自宅となる「荻窪の家プロジェクト」が始まったわけですが、最初に取り組んだのは私たち家族の自宅に対する優先順位付け。主人や娘が通勤・通学がしやすいターミナル駅から徒歩圏内で、私が建築家として活動しやすい環境づくり。打ち合わせにいらっしゃるお客様も多い上に、建築の資料などもたくさん置く必要があるので、住居内に事務所スペースも併設しなければなりません。また、将来的に遠方に住む両親との同居の可能性も考えると、それなりの広さがある一戸建てしか選択肢はありませんでした。
いつか私の親を迎い入れるにしても、今すぐという訳ではないので、しばらくは賃貸として貸し出すことを決めました。自宅を賃貸として貸し出すことで、住宅ローンのかなりの部分を賃貸収入でカバーできます。また、私の仕事柄、自宅を賃貸併用住宅にすることで、お客様にご提案できる幅も広がるとも思いました。自分自身も賃貸オーナーとして、賃貸経営を経験していけることは、私のお客様の多くも土地活用として賃貸物件をご検討されている方が多いので、まさに一石二鳥です。そんな経緯で、賃貸併用住宅を建てることを決めました。

自宅にも、賃貸物件にも適した土地探し

賃貸併用住宅を建てることを決めたのはいいけれど、借主さんが見つかる家にしなければなりません。利便性が悪い立地では安定した賃料収入が見込めない上に、住むにも仕事をするにも適した広さのある土地となると、坪単価も高くなってしまいます。そこで私たち家族に必要なことと、必要でないことの取捨選択を考えました。その中で出た結論は「車を持たない」ということ。都内で生活をするなら車は絶対必要なものではないと考えて、車が入り難い奥まった土地を探し始めました。接道条件の悪い土地は人気がなく、坪単価が安いことを知っていたので、広さ、金額、駅からの所要時間の条件検索で網を張って見つかったのが、今の家です。荻窪駅から徒歩8分圏内で、商店街から入ってすぐだけど、落ち着いた住環境。広さも金額も希望通りだったので、見に行ってすぐに契約をしました。

差別化がはかれる賃貸物件づくり

明るいリビングに光が降りそそぐ広めのテラス。料理好きな私の希望を満たす機能的なキッチンに、多くの収納スペース。私たち家族が住む2階部分の間取りはすぐに決まりましたが、問題は1階です。
しばらくは賃貸住宅として貸し出すわけですから、入居者さんが見つかるようにまわりの賃貸物件との差別化をはからなければなりません。そこでいろいろと考えた結果思いついたのは、「SOHO使いのできる部屋」。1階と2階の玄関は別々ですが、双方から入れる共用スペースをつくって、接客スペースとして活用できるようにしました。SOHO使い可能な賃貸物件は近隣にいくつかありましたが、住居部分の他に打ち合わせスペースがある賃貸物件は無かったので、これは絶対にニーズがあると思いました。
最初の入居者さんもすぐに見つかり、退去があっても次の入居者さんがすぐに決まります。賃貸経営をしていく上で、「賃料の維持」と「空室を出さない」ことはとても重要なので、不安のない安定した賃貸経営ができていることは、私たち家族の生活の質をあげることにもつながっています。
また、入居者さんと接客スペースを共有することで、お互いのお客さんがお互いの作品展示を見ることになり、興味を持っていただけるきっかけになるのも、嬉しい副産物でした。

賃貸併用住宅で気を付けること

前述しましたが、賃貸併用住宅は住宅ローンを家賃収入で賄える素晴らしいスキームを持つものです。反面、気を付けないといけないことも多々あります。例えば水まわり。上の階と下の階の間取りは大きく変わりますが、水まわりはある程度同じ位置にするべきだと思っています。生活リズムの違う方が入居する可能性もあるので、ちょっとした生活騒音にも配慮すべきだからです。また、入居者審査も必ず対面で行うべきだと思います。自宅を共有するわけですから、入居者なら誰でもいいという訳には行きません。また、収益物件としての側面も大きいので、利回りを強く意識する必要もあります。家を建てる際のイニシャルコスト(初期費用)だけでなく、ランニングコスト(建物や設備を維持するための費用)のことも考えないといけません。
賃貸オーナーとなった私も多くの経験を積みましたので、このあたりもしっかりご提案に盛り込むようにしています。

最後に

所有する土地の有効活用をご検討されている方や、憧れの新築一戸建て住宅に住むことをお考えの方はたくさんいらっしゃると思います。賃貸併用住宅には実需としてのご自宅の側面と、不動産投資としてのふたつの側面があります。また、一度建ててしまったら、賃貸経営を行うことにもなってきます。私は賃貸併用住宅オーナーとして、また建築家として、複数の視点からその方に合った賃貸併用住宅のスタイルをご提案ができると自負していますので、賃貸併用住宅建築をお考えの方はお気軽にご相談ください。